アストルティア考古学は50回目を迎えました。

節目となる今回は、「設定資料」の考察です。

なお、ストーリーのネタバレを含んでますので、
その点をご同意頂ける方だけ、続きをご覧下さい。


【アストルティア考古学シリーズ】
 ・ 短評Ver.1 冥王編 神話篇
 ・ 短評Ver.2 蒼天のソウラ 夢現篇

 ・ 配信クエ カミハルムイ メギストリス
 カンダタ1 2 ダーマ
 ・ 設定資料集 アストルティア創世記 New!

 ・ 光と魔瘴 1 2 3  ・ 赤い月 1 2
  ・ レンダーシア大陸 1 2
 ・ 錬金術 1
 2 3  ・ 創生の渦 1 2  ・ 運命の特異点 1 2
 ・ 光の勇者 1
 2  ・ 叡智の冠 1 2  ・ 竜族と創造神 1 2 3
 ・ 進化の秘法 1
 2  ・ 時渡りの術 1 2  ・ テンスの花 1 2
 ・ 神の器 1 2  ・世界樹の花 1 2  ・神話の塔 1 2
 ・ ナドラガ教団 1 2  ・聖鳥と太陽 1 2 3  ・創生の霊核 1 2
 ・ 奈落と常世 1 2
 




アストルティア創世記

全ティア民の聖書、『アストルティア創世記』。




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全知全能にして主なる運営サマに、
この本を与えて下さった事を感謝いたします、
アストルティアの考古学者こと、ロザリー(中の人)です。


ロザリー
 帯は捨てちゃう派。

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 捨てんなや。



さて今回はお待ちかね、考古学シリーズ50回記念に、
アストルティア創世記の解説を行っていきます。


本の中身は全480ページに及び、
登場人物や各大陸の情報が事細かに掲載されてますが、
中の人が特に気になった部分は、3箇所ありました。




神話時代末期」の年代表記 (頁006)

天使像

グランゼニスの力を受け継いだ初代勇者と盟友の出現は、
創世年表の中で最も古い時期でした。
エテーネに引き継がれた盟友の力(考察第23回)が、
災厄の王襲来より前に成立していたのは見逃せない事実です。

災厄を退けた英雄は「時の王者」と呼ばれており、
鳥のマークが付いた鎧を着てました。
そして王者の力はエテーネ村の主人公に引き継がれ、
エテーネには現在まで、時渡りの術と鳥のマークの謎が残されています。


ここから、初代王者とエテーネ王国には何らかの接点があり、
ゴフェル計画が伝わっていなかった人間が災厄を生き残った理由に、
エテーネが関与していた可能性を見出せます。

謎の答えは、どうやら神話時代に隠されているようです。


ロザリー
 なぜ「時の」王者なのかと。

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 初代王者も、時空を渡る力の持ち主だったって事ですよね。




 「夜の王国」の存在 (頁009)

これは別の機会に。

今回の記事では触れません。



 「とこしえの揺り籠」と呼ばれた世界 (頁020)

アストルティア創世記の中で最も気になった記述。

何とアストルティアより以前に別の世界が存在したという情報です。


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 これには驚きましたね。

ロザリー
 ほう…著者はあのロッサム博士か。




ロッサム

ヒストリカ博士のライバルである、
神話レポートの著者、考古学者のロッサムさん。

グランゼニス教団の神殿遺跡を発見して石板を持ち出し、
古代エルネア文字を読み取った人物です。

アストルティア考古学会では今のところ、
ヒストリカより一歩進んだ成果を上げているようです。


しかし、ロッサム・レポートをよくよく読んでみれば、
いくつか引っかかる点が出てくるんですよね。



―――


アストルティア創世記の一文を引用して、
内容を詳しく解読してみましょう。

なお、以下は著作権法第32条に基づく引用であり、
著作権はスクウェアエニックス社にあります。




 この世界の生まれる前……
 はるか遠い場所、はるか古い時代に
 「とこしえの揺り籠」と呼ばれる世界があった。
 とこしえの揺り籠はあまりにも永い星霜を経た為、
 滅びの時を迎えようとしていた。
 この時、古き世界の神より万物創生の力を授かり、
 新天地を求めて旅立ったのが、
 光の女神ルティアナであった。

 ルティアナは永き旅の果てに、
 混沌とした塵芥の漂うだけの薄暗い空間へと辿り着いた。
 ルティアナが光を生み出して虚空を照らすと、
 空間に漂う混沌とした塵芥がみるみる寄り集まって大地が生まれる。
 創生の力を授かったルティアナの光がもたらす奇跡だった。
 大地を照らしだす光はそのまま太陽となり、
 大地を成した塵芥の余りが寄り集まって月となった。
 太陽と月はそれぞれに大地の周りを巡りだして、
 ひとつの世界を成したという。
 この新しき世界は彼女の名前にちなんでアストルティアと名付けられる。
 こうしてルティアナは創世の女神と呼ばれるようになった。


 (引用:アストルティア創世記 ~020頁)




引用おわり。


ロザリー
 不思議の魔塔にあった本より詳しく書いてあるわ。

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 古き世界の神、ですか。





分子雲

(引用:分子雲 - Wikipedia


揺り籠」とは、星形成領域(分子雲)の事。

宇宙関係の人が使う、ポピュラーな言い回しです。

女神の創世神話は、とこしえ(永遠)に続くと思われていた、
母なる星が寿命を迎える所から始まります。
光の女神が新天地に向かって旅立ったとありますが、
おそらく前の星が死滅する際の超新星爆発を指していると思われます。


塵芥」は、星間物質(星間塵)の事。

超新星爆発は激しい衝撃波を引き起こし、
周辺の星雲は物理的影響を受けて流動し始めます。

宇宙空間を漂う粒子は、爆発の衝撃波によって超音速でふっ飛ばされ、
分子雲(星雲)の主成分である水素分子と衝突、
ビリヤードのように次々と弾き飛ばします。

これにより雲の中の磁場が変化。
水素ガスは磁場の強い方向に絶えず流れ込むようになるので、
次第にガスのたまり場(分子雲コア)が出来ます。

たまり場の引力は水素濃度が高まるにつれて強くなり、
周囲に散らばる宇宙チリを寄せ集めながら、
分子雲は次第に渦を巻いていきます。

※ フェルミ加速説によります。その他に重力波仮説も。


暗黒星雲

」は、分子雲の中心で起きる星の誕生を表します。

分子雲に取り込まれた宇宙チリは、
波長の短い光を遮断し、雲の中に閉じ込めます。
天体望遠鏡で外から観測すると真っ暗に見える事から、
分子雲の別名を「暗黒星雲」と呼びます。

渦を巻いた雲はたまり場に発生した重力によって収縮し、
雲の中に閉じ込められた光は逃げ場を求めて熱エネルギーへと転換しようとする為、
ここから光と闇のせめぎ合いが開始。

最初は重力収縮の方が強いんですが、光が高温化するに従い、
外へ逃げ出そうとする圧力が徐々に拮抗するようになり、
光の圧力が限界を越えた所で、光を遮っていた雲を垂直双方向に吹き飛ばし、
揺り籠から宇宙空間にこんにちはします。

暗黒星雲の中から出てきた光の中心温度は10万~100万℃。
これが恒星のたまご(原始星)になります。

※ エディントン光度説によります。


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(引用:宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :太陽の誕生

雲の中心で生まれた光は、更なる収縮によって超高熱化していき、
中心温度が1000万℃を越えた所で、
水素分子の核融合反応が開始、これが太陽となります。

暗黒星雲は太陽の光によって完全に打ち払われ、
周囲に残された星間物質の残骸は、寄り集まって惑星となります。

こうして太陽を主系列星とした太陽系銀河が生まれます。


ロッサム・レポートにある女神の創世神話は、
超新星爆発によって引き起こされる誘発的星形成の様子を著したものであり、
シナリオ担当者の方が天体物理学を熟知した上で
テキストに落とし込んだ事が、その内容から読み取れます。


ロザリー
 スクエニすげぇ…!

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 世界設定を決める時に、相当練られたっぽいですよね。



―――


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さてこの光の女神ルティアナ様、
古き世界の神より万物創生の力を授かったとありますが、
アストルティアの世界にある被造物の中で、
ルティアナ製ではないモノがいくつかありますよね。




天の箱舟 グレイナル 守護天使

天の箱舟、聖竜グレイナル、初代王者など、
『9』の創造神・グランゼニスを父とする被造物たちです。


神話篇でグレイナルや初代王者が話した通り、
彼らは天上からやってきた外来種であり、
予兆クエスト「白き剣の下に」のラグアス王子の台詞からも、
『9』の世界からやってきた事が想像されます。




星空の守り人

 星空の守り人と呼ばれた天使たち


ロザリー
 そう、ずっとこれが引っかかってるのよ。

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 ど、どうしたんですか、急に…?

ロザリー 『9』の世界を創ったのは創造神であるグランゼニス。
 これは間違いないよね?

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 事実ですね。

ロザリー グランゼニスには万物創生の力がある。
 これも合ってるよね?

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 『9』の頃はそうでしたね。

ロザリー だけど今のグランゼニスは人間だけを創った事になってる。
 これっておかしくない?



創造神グランゼニスは、人間の神だけに限りません。

『9』の世界の万物創生の神であり、
空、海、大地、そして天使界や守護天使、
聖竜グレイナルや魔獣アルマトラ、凶悪なモンスターまで、
ありとあらゆる被造物を生んでいます。


その万物創生の神が、実は別の創造神によって創られた。
万物の創造神じゃなかった。





おかしな点はまだあります。

グランゼニスが人間の双子に力を与えたのは、
創世年表では最も古い「神話時代末期」、
グレイナルと初代王者が災厄を退けるより以前の出来事でしたね。


時系列に直すと、こうなります。


 1 女神ルティアナ、『10』の世界を創る
 ↓
 2 女神ルティアナ、人間の神としてグランゼニスを創る
 ↓
 3 グランゼニス、『9』の世界を創る
 ↓
 4 グランゼニス、人間の双子に力を与える
 ↓
 5 『9』の世界から天の箱舟、グレイナル、守護天使がやってくる
 ↓
 6 ゴフェル計画が発動する



「4」の段階でグランゼニスの力が消滅したと仮定した場合、
その後に続く流れに疑問符が付きます。




女神セレシア

『ドラクエ9』の女神、セレシアさん。

考察第24回でも触れた通り、女神セレシアは
『9』の世界の考察を行う上で、決定的な一言を残しています。




女神セレシア

創造主が滅びたら、被造物も一緒に消え去る


時系列が創世年表の通りであるなら、
アストルティアにやってきたグレイナルや初代王者は、
グランゼニスが力を失った時点で、消滅していなければなりません。

レンダーシアを守護する神の緋石のおかげ?

いやいや、モリナラ大森林にある神話の遺跡も、
ゴブル砂漠にある王者の座も、
レンダーシア大陸の管轄外にありますよ。








そう、ロッサム・レポートの内容は…!








逆転裁判

ロザリー グランゼニス神話と矛盾するのよ!

_2ufqsyraCYX05o1402383909_1402383914 久しぶりに出てきたぁあー!





50回記念なので、中の人もはりきっております。

わっしょいわっしょい。








ではなぜ、このような矛盾が生じているのでしょうか。



_2ufqsyraCYX05o1402383909_1402383914
 こんな時は、発想を逆転させるのよ!

ロザリー
 お前もノリノリじゃねーか。




逆転の発想。


すなわち、ロッサム・レポートに矛盾はなく、
ルティアナとグランゼニスの創生神話は両立する。



以上のポイントを前提とした上で、


なぜルティアナ製ではない被造物が、アストルティアに存在するのか?


既にある理由を考えるのではなく、


なぜアストルティアに来なければならなかったのか?


と、来臨するに至った根本原因を考えるのです。




教会マーク

アストルティアの教会に掲げられている三又の紋章は、
『9』の頃から同じものが使用されていて、
元はグランゼニス神のシンボルマーク(考察第41回)に端を発します。

教会によっては女神像と一緒に掲げられている事から、
現在ではグランゼニス神に対してではなく、
女神ルティアナへの信仰を表す紋章になっており、
いつの頃からかこの世界の神権が、
グランゼニスからルティアナに移ったのではないかと仮定しました。




では、具体的にいつ神権が譲渡されたのか?




ここから得られる結論はただひとつ。

もうお分かりですよね。








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ロザリー とこしえの揺り籠が死滅した時よ!

_2ufqsyraCYX05o1402383909_1402383914 な、なんだってー!?





BGM 「追求 ~追いつめられて」




アストルティア創世記

創世年表には記されていない、神話時代初期の出来事。

古き世界の神とはグランゼニスの事であり、
とこしえの揺り籠は、『9』の世界を表すのではないか。



『9』の世界は幾星霜の時を経て死滅するも、
万物創生の力はグランゼニスからルティアナへと譲渡され、
創世の霊核として、アストルティア世界を創造する礎となったと考えれば、
ぴったり辻褄が合う気がしませんか。

腑に落ちないのはその後のグランゼニスとの上下関係ですが、
完全には同一の存在ではないのかも知れません。
マスタードラゴンも代替わりを行っている(バーバラ→未来の卵)ようですし、
神権譲渡の後、『9』の世界と共に一度消滅し、
ルティアナが新たに生まれ変わらせた可能性はあります。

この辺は、グランゼニスとナドラガの関係にも繋がると思います。
現段階では触れず、後の楽しみに取っておきましょう。


仮説から導かれる正しい時系列は、こう。


 1 グランゼニス、『9』の世界を創る
 ↓
 2 『9』の世界が滅び、神権が女神ルティアナへと移る
 ↓
 3 女神ルティアナ、『10』の世界を創る
 ↓
 4 グランゼニス、人間を守護する力を人間の双子に与える
 ↓
 5 『9』の世界から天の箱舟、グレイナル、守護天使がやってくる
 ↓
 6 ゴフェル計画が発動する



グランゼニスの万物創生の力は消滅した訳ではなく、
「2」の段階でルティアナの手へと渡っているので、
天の箱舟、グレイナル、守護天使も現在まで存続している。

残された力である人間を守護する力も、
勇者と盟友の兄弟に分け与え、管理者としての役目を終えた。
 

ロッサム・レポートを矛盾なく読み解いた場合、
このように結論付けられます。


ロザリー
 あとはこの世界で証拠を見つけるだけよ。

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 見つけられるんですか?

ロザリー 勇者の盟友で時の王者で解放者ぞ?
 パンピーのロッサム博士より探せる範囲広すぎぞ?

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 いざとなったら過去世界に飛べますもんね…。



結論: とこしえの揺り籠は『9』の世界




―――


ダウンロード

さて、考古学シリーズ50回目の考察はいかがだったでしょうか?


アストルティア世界で全ての答えを見つけた時、
考古学者も役目を終えるんじゃないかと思ってます。

来週にはVer.3.3の冒険が始まります。

アストルティア創世記が出版されたタイミングや、
クロウズの台詞などを考慮すると、
次回のメインストーリーで創生の霊核の正体が明かされ、
謎解きは大きく進展するはずです。


サブストーリーの方でも、ヒストリカがロッサムに負けじと、
エテーネ王国の空白の歴史を埋め、
考古学会での立場を逆転する展開が予想されます。

また、ロッサム・レポートから解読できる「光と闇のせめぎ合い」は、
Ver.4以降の流れに繋がってくるのかも知れません。

謎に対する興味は、まだまだ尽きません。


ご愛読頂いている皆様のおかげで、50回の節目を迎える事が出来ました。
私が出来る恩返しは、新しい発見を伝え、
考古学者としての役目を全うする事だと思ってます。

今後とも読者の皆様も理解の一助になれば幸いです。
変わらぬご声援のほど、宜しくお願い致します。